2025年JAF全日本ダートトライアル選手権 第2戦「KYUSYU SPRING TRIAL IN TAKATA」ダイジェスト

開催日:2025年4月6日
会場:テクニックステージタカタ
天候:晴れ
路面状況:ドライ(散水あり)

JAF全日本ダートトライアル選手権、2025年の第2戦は広島のテクニックステージタカタで行われた。第2戦は九州地区主管の大会であるが、九州地区は2022年末にスピードパーク恋の浦の閉鎖により公認ダートトライアルコースが無くなって以来、全日本選手権が行われていなかった。今回、会場は広島ではあるが、九州地区の大会として行われた。

PNE1クラス 内藤スイフトが久しぶりの優勝

PNE1クラスは今年初めての成立。5台が出走。昨年シリーズ6位のシードドライバー、ハンター大谷ヒロシ以外は全員今年からのPNE1クラスへの参戦。車種も33スイフト、コルトラリーアート、フィット、プリウスとバラエティに富んだ。

そんな中、2014年の全日本PN1チャンピオンを最後にダートトライアルを休止していた内藤聡が快走。公開練習から一度もトップを明け渡さずに優勝を飾った。内藤にとっては10年ぶりの全日本勝利となる。2位にはシードドライバー、ハンター大谷、そしてコルトを駆るいりえもんが続いた。

PN1クラス 飯島スイフトが2連勝

PN1クラスは16台の出走。前日夜の降水の影響か、一本目開始前の散水が行われず、それにならい二本目前の散水も行われなかったため、いつもとはタイヤチョイスに悩む選手もいたようだ。

一本目は東北の雄、工藤清美フィットがベストを奪取、昨年のチャンピオン飯島千尋32スイフトは2位で折り返し。二本目になるとタイヤチョイスの差が出たか、昨年のタカタ通いの成果か、チャンピオン飯島千尋が逆転、工藤清美は2位となった。これで飯島千尋は前戦いなべに続き2連勝。

PN2クラス 張間が初めてのタカタで全日本初優勝

PN2クラスは33スイフトのワンメイク、14台の出走。上位は若手とベテランの対決の構図となった。一本目は昨年のランキング2位濱口がベストを奪うものの、二本目になり失速。今年PN1から移ってきた奈良がしばらくベストタイムを保持していたが、今年からCUSCO・DUNLOP・Winmaxの若手サポートを得て全日本フル参戦を果たす若手筆頭株、張間がベストを奪う。なんとタカタはこの週末が初めての走行。昨年のタカタも含み全日本4連勝中のチャンピオン佐藤卓也も伸びず。張間が見事全日本初優勝を飾った。

PN3クラス 徳山86が逆転勝利

PN3クラスは新旧86/BRZが入り乱れて17台の出走。まず一本目トップに立ったのは昨年のチャンピオン、チームORANGEの竹本。高速S字を長く浅いドリフトで駆け抜けトップに立つ。ライバルのランキング3位徳山は、なんとスーパードライタイヤA036をチョイスして撃沈。二本目に入ると一本目で懲りたか?徳山はタイヤを通常ドライA053に、逃げ切りたい竹本は攻めのチョイスでA036に、と逆のチョイス。これが影響したのか?徳山は逆転に成功、竹本はそのタイムを上回ることができず2位どまり、徳山が今季初優勝を飾った。

Nクラス 岸山GRヤリスが今季1勝目

Nクラスはランサー、GRヤリスで20台の出走。まず一本目トップに立ったのは昨年のチャンピオン細木ランサー。2位と1.8秒差というブッチギリのタイムをたたき出す。しかし二本目、昨年のランキング2位岸山GRヤリスがトップに立ち、後続の細木(岸山がトップに立ったことは知らずに走行中)は島回りセクションでイン側を引っ掛けタイムダウン。結果、岸山に逆転を許し2番手で終わった。

SA1クラス 若手筆頭、渡邉知成シビックが全日本初優勝

SA1クラスは今大会最多の24台の出走。一本目トップに立ったのは抜群の安定感を誇る昨年のチャンピオン河石スイフト。しかし、その河石は一本目トップだと勝てないというジンクス!?にやられ二本目は失速。代わってトップに立ったのが若手筆頭株、CUSCO・DUNLOP・Winmaxサポートを受ける、大学4年生を無事に卒業したばかりの渡邉シビック。金曜日は厳島神社で観光、土曜日は手を振りながら高速S字をクリアするなど、目一杯楽しんだタカタで全日本初優勝を飾った。

SA2クラス 岡本泰成ランサーがブッチギリの優勝

SA2クラスは20台の出走。昨年のチャンピオン岡本ランサーが両ヒートともベストタイムを刻んでの完全優勝を決めた。一昨年のチャンピオン浜ランサーは一本目3位からの追い上げを見せたものの1.5秒差をつけられ2位どまり。上位陣のなかでは岡本だけがスーパードライタイヤDZ95Rを履いてのトライだったが(2位~5位はYH勢でA053)、それが功を奏した形となった。

SCクラス 上村ランサーが2連勝

SCクラスは15台の出走。一本目は昨年ランキング2位のCUSCO DL GRヤリスを駆る目黒が2位を1秒以上ブッチぎってトップに立つ。しかし、二本目に一昨年のチャンピオン上村ランサーがトップに立つと、後続のシード選手はだれも上村のタイムをやぶることができず、開幕戦に続き上村の2連勝が確定した。

D1クラス 地元、一柳が全日本2勝目を挙げる

今年からD規定で争われる二輪駆動の改造車クラスであるD1クラスは15台の出走。その中で一本目トップに立ったのは今大会唯一のV6エンジンを搭載する山下FTO。昨年のチャンピオン山崎ミラージュはマシントラブルで上位に絡めず。二本目、山下FTOに代わってトップに立ったのが地元一柳シビック。一柳のタイムをだれも破ることができずにチャンプ山崎まで来たが、山崎も一柳のタイムを破れず、一柳が全日本選手権通算2勝目をかざった。

D2クラス 昨年のリベンジを果たし田口ランサーが今季初優勝

D2クラスは12台の出走。このクラスの一本目はまず田口ランサーがトップで折り返し。2位の炭山ミラージュがマシントラブルとはいえ、田口ランサーは2位と2秒以上の差をつけてのベストタイム。二本目になると各選手秒単位でタイムアップするものの、田口の一本目のタイムを超えることができず、ついでに田口自身も自分のタイムを上げることができず、田口ランサー一本目のタイムで優勝を飾った。

リザルト

ClassNameCarBest Time
PNE1内藤 聡アオイATSカヤバDLスイフト2’16.369
PN1飯島 千尋Motys☆DLスイフト神速2’15.200
PN2張間 健太DLクスコWM・ラブカスイフト2’10.832
PN3徳山 優斗ADVANオクヤマFTGR862’13.792
N岸山 信之BRIDE★DL★GRFヤリス2’03.717
SA1渡邉 知成BFA☆DLクスコWMシビック2’08.936
SA2岡本 泰成DLアルテックおかつねランサー1’59.654
SC上村 智也JURANitzzYHランサ2’00.910
D1一柳 豊DLテクノBSTシビック5052’08.232
D2田口 勝彦HKSランサーエボリューション1’57.480

ご注意
本レポートおよび結果表はJDCEAが独自に取材・入手したもので、JAFの公式発表ではありません。内容に誤りや他の発表と異なる場合がありますので、参考資料としてご覧ください。