開催日:2025年4月27日
会場:丸和オートランド那須(栃木県)
天候:晴れ
路面状況:ドライ(散水あり)
JAF全日本ダートトライアル選手権は全8戦で行われるが、早くも第3戦が栃木県の丸和オートランド那須で行われた。丸和は関東を代表するダートトライアルコースで、週末の天気はよく、初夏を思わせる日差しと那須の爽やかな風に囲まれ、全149台の出走で盛り上がった。
PN1クラス 藤大自動車部 南スイフトが全日本戦初優勝

最も小排気量のこのクラスは関東の若手も数名全日本にチャレンジした。公開練習は坂本FIT、佐藤スイフト、本番第1ヒートは坂本FIT、長田スイフトと、関東若手が上位を占める形で進んだ。第2ヒートに入りさすがにゼッケン1の坂本は交代、ベストを奪ったのは謎の集団藤原大学自動車部の南。「藤大のみんなが優勝していく中で自分だけ遅れをとっていたが」と決死の走りで全日本初優勝を飾った。
PN2クラス 九州の濱口スイフトが一年ぶりの優勝

公開練習ではトップにたちご機嫌だった昨年のチャンピオン佐藤卓也スイフトだったが、本番第1ヒートでは微妙に失速、代わってトップに立ったのは今年からPN2を追う奈良スイフト。北海道の山田スイフトが続くオーダー。第2ヒートでは川島スイフトがベストを奪いPN2移籍後初優勝なるかと思われたが、ラス前九州の濱口スイフトが唯一のウエットタイヤ(DL DZ74R)を履いて鬼神の走りを見せベスト奪取。「ファンタスティックな一日をありがとうございました!」と名言を残した。
PN3クラス オクヤマ86の徳山が2連勝

今回横綱相撲だったのはオクヤマ86の徳山。公開練習から3トライ、オールベストで文句なしの優勝。2連勝でシリーズリーダーを堅守。昨年のチャンピオン、チームオレンジの竹本は最終的には3位だが徳山とのタイム差は2秒と圧倒的な負けを喫した。その間に割って入ったのは、KITの小関BRZ。第1ヒートは5番手といい位置につけていたが、第2ヒートは超ドライDL DZ95Rをチョイスしてタイムアップを果たした。同じくKITの佐藤がATのBRZで4番手に入った。
Nクラス 山崎ヤリスGRMNがNクラス移籍後の全日本初優勝

このクラスは全クラス中最大の23台の出走。その中で存在感を示したのが関東の中島。ベテラン宮地とダブルエントリーでの参戦だったが、公開練習3位、第1ヒート2位、第2ヒートも暫定1位と全日本戦初優勝かと思わせたが、その中島の次走の山崎ヤリスGRMNがわずか5/100タイムを更新。そのタイムはシードに入っても破られず、山崎がNのクラスに移ってから初優勝となった。これまで何度も全日本チャンピオンを獲得している山崎だが、Nクラスでの初優勝まで3年を要した。
SA1クラス 昨年のチャンピオン河石スイフトが完全優勝

SA1クラスは昨年のチャンピオン河石スイフトが公開練習からオールベストで完全優勝を飾った。共にCUSCO・DUNLOP・winmaxのサポートを受ける渡辺シビックと平川スイフトも表彰台をゲット。渡辺は前戦タカタラウンドに続き優勝を狙うもシフトミスでタイムを落とし2位、平川スイフトは初めて履くDUNLOPの超ドライ(DZ 95R)を手なずけたものの3番手止まりだった。
SA2クラス 一昨年のチャンピオン浜ランサーが優勝

公開練習、本番第1ヒートと、ベストを奪ったのは大ベテラン笑う大魔神荒井ランサー、久しぶりの優勝なるかと思われたが、2位3位には若手岡本ランサー、浜ランサーがしっかり食らいつき余談を許さない展開となった。第2ヒートも荒井ランサーがベストタイムを更新するも、一昨年のチャンピオン浜ランサーがそれを1.5秒近く上回るスーパーラップをたたき出しトップに立った。最終ゼッケン岡本ランサーも追いすがるが届かず、浜が優勝を飾った。
SCクラス CUSCOヤリスの目黒が今季初優勝

今シーズン序盤2連勝していた上村ランサーは今回いいところなし。代わって絶好調だったのが、第1戦3位、第2戦2位と上昇傾向の目黒。「事前のテストもしっかりやってきた」というだけに、公開練習から一度もトップを譲ることなく優勝を決めた。
D1クラス LAILEスイフトの志村が改造車転向後の全日本初優勝

魔改造2WDマシンで行われるD1クラス。第1ヒートでトップに立ったのは崎山MR-S(MR-SボディにEJ20T搭載)。2位を約1.6秒千切って堂々のベストタイム。しかし、第2ヒート、崎山は最もスピードの出るバックストレッチエンドで痛恨のスピン。クラッシュは免れたが成績は撃沈。代わってトップに立ったのがレイルスイフト(ZC33Sスイフトの正統派チューニングマシン)の志村。この志村のタイムは昨年のチャンピオン山崎も破れず、改造車転向後初の優勝となった。
D2クラス HKS田口ランサーが2連勝

ダートトライアル最高峰のD2クラスは、大きな空力パーツ(カナード翼)が悪さをしたのか、パイロンタッチが続出。第1ヒートは何と谷田川BRZ、炭山ミラージュ、田口ランサーとシードゼッケンのうち3人もパイロンタッチ。しかし第2ヒートでは各自修正…したものの谷田川のみパイロンタッチ。優勝争いは昨年のチャンピオン田口ランサーが制した。田口ランサーはこれで2連勝。
リザルト
Class | Name | Car | Best Time |
---|---|---|---|
PN1 | 南 優希 | DLスノコ藤大ミカサスイフト | 1’49.369 |
PN2 | 濱口 雅昭 | ブレインテックDL匠 スイフト | 1’46.567 |
PN3 | 徳山 優斗 | ADVANオクヤマFTGR86 | 1’44.807 |
N | 山崎 利博 | DLレプソルTガレGRTヤリス | 1’38.786 |
SA1 | 河石 潤 | モンスタースポーツDLスイフト | 1’43.945 |
SA2 | 浜 孝佳 | XPL・ADVANランサー | 1’36.485 |
SC | 目黒 亮 | CUSCO DL GRヤリス | 1’35.293 |
D1 | 志村 雅紀 | LAILE☆カヤバYHスイフト | 1’42.110 |
D2 | 田口 勝彦 | HKSランサーエボリューション | 1’33.565 |
ご注意
本レポートおよび結果表はJDCEAが独自に取材・入手したもので、JAFの公式発表ではありません。内容に誤りや他の発表と異なる場合がありますので、参考資料としてご覧ください。